2009.05.20 03:03

こんばんは,milkです.

実はこのお話からはお引越し後になります.
えっと,ブログのお引越しをしました.
amebloからFC2へ…よろしくお願いします.

ユウヤとユイ,紛らわしい名前でしたね(^^;今さらながら…
さてさて,この二人の行く先は?

では,続きをどうぞ...





~初夏の甘い風(最終話)~ 甘い風

なんで…なんで…,ここにいるの?
こんな展開ないよ…ユウヤ,何か話して…


ユイの気持ちを察したかのように,ユウヤが話し始めた.

「シゲアキさ,おまえの事,すっげー好きだったの.」
「!…」
「同じ大学進みたくて,一緒に居たくて,だからお前と同じ大学受験してさ….」
「…‥合格したのは知ってるよ.デコメで報告来たもん.」
「だろ?」
「でも,シゲアキはT大受けるって,K大は留めだって言ったもんっ.」
「そんなの見栄に決まってるだろ?わかんねぇの?」
「わからないよ,そんなことわからない.」

わかるはずない…大切な友達だから.
あの頃から,無邪気なあの頃から,ずっと友達.
これからも…ずっと友達だったはずなのに…
でもなんで?…なんでユウヤがこの話知ってるの?


「アイツさ,3月の終わりに俺んち来てさ,ユイのこと諦めるって言うから…」
「ねぇ?ユウヤ…シゲアキの気持ち知ってたの?」
「あぁ…」
「いつから?」
「さぁ,いつかな?」
「…?」
「見てればわかるよ.」
「嘘…わかんないよ,全然わかんない」

言葉を投げだすと,激しく頭を振った.
ユウヤはユイの頭を軽く撫でると…

「そっか,わかってもらえなかったんだなアイツ…」
「…」
「ごめんなユイ,ちょっと確かめたかったんだ.」
「今日のこれ,計画的なんじゃん…」
「ちがうさ,ユイを見つけたのは偶然だよ…」
「嘘っぽい…」
「こんなのプランニングできないよ…」
「嘘…」
「嘘じゃないよ,でもさ,なんかあったの?アイツと…」
「…なにも…」

ユイは軽く左右に顔を動かすと,うつむいた.

あったよ…誰にも言えないことがあったよ…
告白されたよ,抱きしめられて,ユイのファーストキッス奪ったもん.
シゲアキのこと嫌いじゃないけど,そういう気持ちで見てなかったから….
破片(カケラ)も気がつかなくて,どうしていいかわからなくて….


でもシゲアキはずるいよ,ユイをほったらかしにしているんだよ.
全然連絡だってくれないんだから…
ユウヤ,何にも知らないくせに.


悔しい…ユイの目が涙で滲んだ.

シゲアキはいぢわるだ.
ユウヤもいぢわるだ.
勝手に人の心の中に入り込んできて,勝手な発言して….


ユイは堪えきれずに,ボロボロ泣き出してしまった.

「ぅ…っ,くっ…」
「な,泣くなよ…気になったから聞いただけだろ?」
「ユウヤのいぢわる.何にも知らないくせに…」
「知らないよ,でもさ,アイツのことどう思っているかぐらいなら聞いていいと思って…」
「ユウヤなんか知らない.」

声が震えちゃってる…きっとスゴイ顔をしてるに違いない.
でもなんで?ユウヤの前だとこんなに素直に泣けるんだろ?


「おまえ,鼻かめよ.スゲーよ?ほら,ティッシュあげるから」
「ぅ,うん…」

すぐにユウヤに従ってしまう.ユウヤはいつも,さりげなに気が利く.
ユイは知っている,こういう時のユウヤの優しさと安堵感.

でもユウヤには話せない…シゲアキとのことは,天と地がひっくり返っても話せない.

「顔スゲーぐしゃぐしゃ…」
「だって…うーっ…」
「鈍感ちゃんには,わかってもらえないんだな~」
「違っ!シゲアキは友達で,ずっと友達で…チガゥ…ッ…」
「わかってるよ,ユイの言いたいこと.」
「わかんないよっ,ユウヤにはわかんない.」
「じゃぁ教えてよ,俺の知らないこと?」
「なっ…なん…」
「ばぁーか,嘘だよ…」

しどろもどろな口調が,秘密を隠す説得力を消してしまった.

今日のユウヤは強引だよ…どうして?
そんなにユイのこと,いぢめたい?
シゲアキのこと,ずっとそのままにしているから?
ユウヤの大切な友達のことだから?


だって…だって…

ユイはぎゅぅっと拳を握りしめた.涙がポトポト拳を濡らした.

ユウヤに話したら,何か変わるの?楽になるの?
なるわけないよ…ユウヤとの問題じゃないもん,でも…


急に甘えたい気持ちがこみ上げて来る自分を必死で抑えた.

いつもこうなっちゃう.
誰かと喧嘩すると,すぐユウヤに甘えて…
悲しくなると,すぐユウヤにメールして…
ユウヤの気持ちを無視して甘えて…
今もユウヤの気持ち,きっと無視してる…
だって,ユウヤはどんな時でも受け入れてくれるから…


だめだよ,ユイ,今は甘えちゃだめ.オトナにならなくちゃ.
ユウヤはシゲアキのこと,友達として真剣に心配しているんだから


「ね…,ユウヤ…」
「なんだよ?」
「ユイ,どうすればいいの?」
「リアルな質問だな?」

気持ちとは裏腹な甘い自分の発言に,ユイは少しの罪悪感を覚えた.
ユウヤはそんなユイをお見通しかのように,優しく言葉を落とした.

「ユイは,こうすればいいよ…」
「ん?」

ユイの頭を自分の胸にそっと倒すと,優しく背中を抱きしめた.
ユウヤの体温が背中に置かれた腕から伝わってくる.
これ以上触れないように,そんな気遣いが,温(ぬる)く切ない….

「ユイ…無理すんなよ…」
「…ん…?」

ユイは上目遣いにユウヤを見た…
ユウヤは無言でユイの視線に微笑み返した.
そしてユイからそっと腕を解き,ほっぺたを軽く突いた.

「少しだけならいいよ…俺でよければね…」
「訳わかんねぇけど…泣けよ,甘えん坊…!」


そう言うと,今度はきつくユイを抱きしめた.きつく,でも優しく…

「おまぇ……」

聞こえないくらい小さな声で何か呟くと,ユイの髪をそっと撫でた.
二人の間を柔らかな甘い風が,一瞬通り過ぎた.


ユウヤ…ゴメン…アリガト…
このまま少し一緒に居て…
何も聞かないで居て…



ユウヤが窓の外に視線を移すと,外はすっかり陽が落ちていた.
遠くの幹線道路には,ヘッドライトのイルミネーションがゆらゆらと流れていた.
ユイはユウヤの腕の中で,夢の続きを見ていた….


(おしまい)


感想お待ちしています.ちょっと,長かったね…
(*'-'*)/~~~~~
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| ~初夏の甘い風~ | コメント(7) | トラックバック(0) | |

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| | | 2009.05.31 10:26 |

ありがとー☆

いらっしゃいませ☆りさちゃん←勝手にちゃんづけしてごめんなさい.

> 初めてコメします。
初めまして!milkです☆

> この話、サイコーです!!
ありがとうございます!!嬉しいです!!

> 私も書いてるんですがなかなか上手く書けないんです。
りさちゃんも書いているんですか?!
milkも読んでみたいよ~☆
ご案内くださ~いっ!待ってます☆

> また読みに行きますね!
ありがとうございます☆
1ヶ月に1話(3~5回に分けて)書いていく予定です.
次のターゲットは誰?悩み中です~

| milkから,りさちゃんへ | URL | 2009.05.22 00:19 | 編集 |

初めてコメします。
この話、サイコーです!!
私も書いてるんですがなかなか上手く書けないんです。
また読みに行きますね!

| りさ | URL | 2009.05.21 22:39 |

ありがとー☆

> milkちゃん早速読みに来ました。
>
へなぴーちゃん,ありがとうございます☆

> 「少しだけならいいよ…俺でよければね…」
> 「訳わかんねぇけど…泣けよ,甘えん坊…!」
>
> な~んかこのシーンで妄想して夜中に1人ニヤケてる
> 変なおばちゃんですが(^^;)
>
やだっ!へなぴーちゃんったら,オトメでしょ?
ニヤケてください,たくさん楽しんでもらえると嬉しいです.

> 優しい言葉かけられたらウルウルきちゃうよねv-409
>
うん…そうなの.
milkの中では,祐くんは未完成なキャラなんです.
まだ恋愛経験ないぞーみたいな?
でも女の子のハートはコントロールできるぞーみたいな?
でもディープな恋愛はダメだぞーみたいな?

> 今度は誰で書くのかしら?
> 次回作も楽しみにしてるからねv-410

あ、ありがとー.
次は亮ちゃん?かなぁ?貴久さまとのコラボかも?
まだまだ先なので,出来上がったらカキコしに行きます♪

| milkから,へなぴーちゃんへ | URL | 2009.05.21 00:18 | 編集 |

Re: 初コメ☆

しおりんちゃん☆こんばんま☆いらっしゃいませ~

> コメきちゃいました~
>
わぁ~いっ!ありがとう~

> なんだか切ない終わり方ですねーキュンってなっちゃいます
> 祐也の気持ちしりたかったな~って勝手に妄想しちゃうんですけどね(笑)
>
妄想してください.しちゃって楽しんで~

> 新しい小説楽しみにしてますね♪
>
ありがとう…でも,誰にしようかな~?悩み中です.

読んでくださって,ありがとーございました!

| milkから,しおりんちゃんへ | URL | 2009.05.21 00:13 | 編集 |

milkちゃん早速読みに来ました。

「少しだけならいいよ…俺でよければね…」
「訳わかんねぇけど…泣けよ,甘えん坊…!」

な~んかこのシーンで妄想して夜中に1人ニヤケてる
変なおばちゃんですが(^^;)

優しい言葉かけられたらウルウルきちゃうよねv-409

今度は誰で書くのかしら?
次回作も楽しみにしてるからねv-410

| へなぴー | URL | 2009.05.20 23:47 | 編集 |

初コメ☆

milkさんこんばんま☆
コメきちゃいました~
なんだか切ない終わり方ですねーキュンってなっちゃいます
祐也の気持ちしりたかったな~って勝手に妄想しちゃうんですけどね(笑)
新しい小説楽しみにしてますね♪

| しおりん☆ | URL | 2009.05.20 23:36 | 編集 |

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