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2009.12.25 01:26

こんばんは,milkです.

今日ね,ダ~リンからメールが届きました.
メリークリスマスってメールでしたっ☆
もちろん,お友達の心遣いですよん(^-^)v






雪乃☆白いワンピースに身を包み,
賛美歌を歌う姿を照らすキャンドル.

雄一☆聖なる夜を祝福しよう,そう
一緒に美しいハーモニーを作ろう.

あなたとだから生まれるハーモニー.
これからも響きますように…永遠に.



スノウドロップ ~第九話~



クリスマスイヴは前夜祭,
本当のミサは明日なんだよ.

小さい頃に教えて頂きました.

だけど,いつしか恋人たちの夜に?
イヴから変わる瞬間を一緒に過ごし,
お互いを確かめ合うの…

なんで?


「今日はご機嫌ナナメ?」
「あ…うぅん…んなことないよ.」
「俺のせいかな?そだよね?」
「違うよぉ~考えごとしてたんだ.」
「ほらね…」
「賛美歌,お兄ちゃんと歌うと
 いい感じにハモれるのにさ,
 和也とだと…なんかヘンなの.」
「そんなこと?」
「かなり重要.わかる?」
「時間の問題じゃない?」
「そう?」
「雪乃とは15年も一緒に歌ってる.」
「そんなに?」
「あぁ…」

雪乃を見てきた時間は誰よりも長い.
声色ひとつで機嫌だってわかるのさ.
今だって…嘘ついてるだろ?


二人は食事を終え,ゆっくりと
雪乃ご指定の場所に向かっていた.

表参道のイルミネーションは,
新技術を駆使したLEDで輝いている.
ブルーじゃない,この淡い黄色も
大変な時間を要したに違いない.

二人は手を繋ぐわけでもなく,
寄り添うわけでもなく,
ただただ並んで歩いた.

少しだけ階段を駆け足で昇り,
風が舞う歩道橋の上に立った.


「なんでこんなところに?」
「だって…キレイじゃない?」
「風強いよ?寒くないの?」
「へーき.っていうか,
 お兄ちゃんさ…
 なんでもないっ.」

雪乃,どーしたんだよ?
今日はなんだかヘンだよ?

「はいっ,プレゼント交換しよ!」
「ここで?」
「うん,ここで.」
「どこかわかってるの?」
「歩道橋の上だよ.」
「雪乃?大丈夫か?」
「お兄ちゃん,約束したじゃん.
 今日は彼女にしてくれるって.」
「あぁ…」
「じゃ,雪の言うこと聞いて?」
「あ,う…うん.」

雪乃の描いていたクリスマスストーリー.
今から始めます.よろしく,お兄ちゃん.

「雪乃どーしたんだよ?」
「どーもしてないよ.」
「なんで,ここなんだよ.」
「イヤなの?」
「そうじゃないけど…」
「雪の言うこと聞いてっ!
 はいっ,お兄ちゃんからね.」
「うぅ…なんかヘンだな.」

歩道橋という場所に違和感を覚えながらも
ポケットからちいさな金色の箱を取り出すと
雪乃の掌の上に,そっと乗せた.

「メリークリスマス,雪乃.」
「ありがとう…なんだろ?」
「開けてみたら?」
「うんっ.」

雪乃の思いっきりの笑顔に,
雄一は一瞬自分を失いかけた.

「わぁ~キレイ☆」
「俺が選んだからね.」
「威張ってる~」
「イヤ,自慢してるだけ(笑)」
「ね?付けて?」

雄一は星のネックレスを
そっと雪乃の首に付けた.

雪乃の優しい香が鼻腔をくすぐる.
思わず抱きしめてしまいそうな,
そんな柔らかな空気が流れた.

「似合うよ.」
「ホント?」
「あぁ…」

このまま連れ去りたいくらい
雪乃は愛らしくピュアだった.

「雪乃?」
「なぁに?」
「イヤ…」
「わかった!雪の番!」
「アハハ,そうだな.」

コイツ,どこまでボケボケなんだ?
冷めちゃうよな…むちゃくちゃだよ.

「じゃ,お兄ちゃんは目を閉じて.」
「えっ?」
「やだ~なんもしないよ(笑)」
「雪,そーいうことじゃなくって…」
「お兄ちゃん,焦ってる~」

雪乃は無邪気に笑うと,
もう一度お願いをした.

「お兄ちゃん,目を閉じて…」
「あぁ….」

雄一はそっと目を閉じた.

雪乃はバックからマフラーを取り出すと
そっと雄一の首に回し掛けた.

「はいっ.目を開けて見て.」
「こ,これ?
 雪が…
 あ…ありがとう.」

雄一は手作りとわかるそのマフラーに,
驚きと味わったことのない感動を感じていた.

「雪…ありがとう.」
「どういたしまして.」
「雪,作ったの?」
「うん,作ったよ.」
「似合うかな?」
「んなこと聞くの?」
「え?」
「15年もお兄ちゃんといるあたしが
 お兄ちゃんのために作ったんだもん.」
「あ…」
「最初で最後のプレゼントだから…」
「え?」

一瞬にして目の前からキラキラした感動が
雪の結晶になってパラパラと舞い散った.

「雪?」
「あのね, この間やっと気づいたの.
 雪,お兄ちゃんが好き.大好き.」

雪乃のストレートパンチな告白に,
雄一は動揺することしかできなかった.

「でも,お兄ちゃんは香澄さんが好き.」
「なっ…ちがっ…」

雄一の発した一言は雪乃に届かなかった.

「月曜日,見ちゃったもん.
 お兄ちゃんが香澄さんと…
 あたしは敵わないから.」
「月曜日?」
「そう… あたし,カフェから見てたの.
 香澄さん,泣いてた.お兄ちゃんは…」
「雪,あれはさ.」
「できないよ?大切に思っていないと.」
「だから…ちがっ.」
「何も聞きたくないの,
 雪が決めたんだから…」

雪乃は軽く首を傾げて苦笑いした.

「雪乃,俺さ…香澄とは別れたんだよ.」
「そういう噂は流れてきてさ,
 雪は一瞬信じたんだよ….」
「噂じゃないよ.」
「嘘だ…
 じゃなんで?抱きしめたりできるの?」
「それは…」
「雪には分からないから…
 いいの,新しい恋を見つけるから.」
「雪…あのさ…」
「お兄ちゃん,ありがと…大好きだよ.
 それから,教会では今まで通りでね.
 雪はお兄ちゃんと賛美歌歌いたい.」
「雪…だから違うんだって!」

雪乃はチラリとリングクロックを見た.

「終電,まだ間に合うみたい…」
「雪…ダメだって一人で帰っちゃ…」
「これ以上一緒に居られないもん.」
「雪乃,ダメだって言ってるだろ!」

雄一は思い切り叫ぶと雪乃を抱きしめた.

雪乃,信じてくれよ…
お前まで泣くの?何故だよ?

雪乃は雄一の力が緩んだ瞬間に
腕を振りほどき走り出した.

これでいいの…こうなって欲しかったの.
お兄ちゃんに抱きしめてもらえたから…
お幸せにって言えなかったけど,いいの.

「雪乃…」

呆然と立ちすくんでいた雄一に風が吹いた.
まるで追いかけるようにと,囁くように…

「雪乃,俺もお前のことが好きだよ.」

何をやってんだ?追いかけないと見失う.
雪乃,一人で帰るな.こんな時間にダメだ.

雄一はまばらな人を避けながら走った.
そして交差点の向こう側に雪乃を見つけた.

「雪乃…なんでまた…」

交差点の向こう側の雪乃は,
明らかに見覚えのある男に向かって
首を振りながら泣きじゃくっていた.
迷子の子どものように…

な,なんでお前居るんだよ…






 

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