2009.12.22 23:58

こんばんは,milkです.

寒い夜,暖炉の前で編み物…
そんな北欧のような生活でなく,
ファンヒーターの前に固まる.



誰かに話したい.でも話せない.
気づいた時には遅かったから…

今の二人の関係が崩れ去るのは怖いけど,
ずっとこのままでいることはもっと怖い.



スノウドロップ ~第八話~



完成(≧∇≦)やった~間に合った~!!

雪乃は完成したマフラーを高くかざした.

やっぱ最初で最後になっちゃうのかな…
きっと似合うよ…お兄ちゃん.
よーく知っている雪乃が作ったんだもん.

メールじゃなくて手紙にしよう.
メールはいつか消されちゃうから…

あっ…消された方がいいのかな?
その方が後に残らないもんね.

ギュッて抱きしめて貰ったら…
サヨナラって言おう.
そうだなぁ・・・お幸せに♪って…

雪乃は編み続けていたマフラーに
顔を埋めると,ため息をついた.

なんだか師走そのものの数日だった.
いっぺんに気持ちを掻き交ぜられて
ミックスジュースみたいになっていた.

(着信音)

「はい.」
『雪乃?あたし~』
「どしたの?」
『ニュースだよ!』
「は?」
『イヴ,表参道だってさ.』
「は?意味わかんないんですけど.」
『だからさ,あなたの好きな増田.』
「増田くんが表参道?」
『行くらしいよ?』
「関係ないし…」
『ほら,バッタリ!って…』
「んなこと…」
『期待しなよ~』
「お兄ちゃんと行くんだよ?」
『わかってるよ.』
「しかも後輩でさ,
 あたしのことを彼女って
 思ってんのに…」
『そこでさ,一発逆転!』
「悠ちゃん,わけわかんない.」
『…ごめん…』
「増田くんにはあの彼女がいるし.
 あたしは今回限りのイヴだし…」
『わかってるって,
 情報としてさ,伝えたまでよ.』
「ありがと…
 やっぱ元カレだから気になるん?」
『ちがうよ,雪乃なんかぼっとして
 あんまり元気がなかったから
 どうしたもんかなぁってさ…』
「悠ちゃん…」
『ま,雄一さんとなら安心か.
 楽しんでおいで!』
「あのさ…」
『ん?』
「いや…
 悠ちゃんは?」
『あたし?行った通りよ.
 行き先は秘密よ(笑)』
「そっか…」
『どしたの?暗いし…』
「ううん,なんでもない.」
『じゃ,結果報告会は大晦日ね!』
「うん.ばいばい悠ちゃん.」
『じゃっね!』

いいな,悠ちゃんは亮くんとラブリーナイト.
増田くんだって,あのピンクちゃんと….

雪乃だって,一応カレカノだかんね.
増田くんにバッタリ…うー,やだな.
絶対会いたくない.やだやだ.やだー!

勝手な想像をを繰り返しているうちに,
雪乃はベッドに伏せて眠っていた.
時計は12月24日に変わり,
静かにベルを鳴らした.



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