2009.06.19 03:18

こんばんは,milkです.

続けて書いちゃいました.この回は,さらりと流し読みの回です.
でも意外と重要かもしれません,少しだけね.

では,続きをどうぞ.


~雨が消してくれるから(第3話)~ ユイ&マコ 2


やっと手に入れたBrightのライブチケットを目の前に,ユイはあの日の彼を思い浮かべていた.
無造作に手櫛を入れた黒髪に,凛とした横顔.弾き終えた瞬間に見せた笑顔…
今からまた会えると思っただけで,胸が熱くなる…

どうしたのかな,ユイ?
こんな気持ち初めてだよ…


ユイはライブハウスの入口を見ながら,マコの到着を待った.
遠くからバッグを振り回しながら走ってくるマコが見えた.

「ユイ,お待たせ!」
「遅いよ,もう10分遅れたら入れないじゃん.」
「ごめん,ごめん…さ,行こ」

階段状の客席はすでに満席状態で,最上段の奥にしかスペースが見当たらない.

「しょうがない!奥行こ,ユイ!」
「はぁ~,一番遠いぃわ~」
「文句なしよ,狭いんだから!」
「はぁい…」
「あれ?一番前の席…」
「!」
「ユウくんじゃない?」
「…」
「知ってる?ユウくん,ナミエさんのファンなのよ…」
「ナミエさん?」
「ギターの人よ,美人よね~」

マコにはまだ話していなかった.ユウヤのこと.
ユウヤ,冷たいの…抱きしめてくれるけど冷たいの.
なんでかな?恋人じゃないからかな?わからないんだよ…


ユイの頭に浮かんだ疑問符も,暗転した会場と共に直ぐに消え去った.
スポットライトが光度を増すと共にギターの音が激しく渦巻いていく…
ユイの身体は飲み込まれて…奥へ奥へ…
目の前には一本の光が,彼だけに射していた.

額に光る汗,指輪が光る左手が弦の上を踊る…
細かに弾け跳ぶ右手,彼の全てが今は目の前に…
身動きが取れない心地良さに,全てを委ねていた.

ユイはマコに揺り起こされた.
なんだか頭が痛い…

「終わったよ!ライブ!」
「ぇ?ぅ,嘘…」
「ホント!」
「はぁ…」
「ユイ,舞台に釘付けすぎっ~」
「はぁ…」
「そんなにカッコイイ?」
「はぁ…」
「はぁ…じゃないわよ~」

ユイは急に席を立つと,マコの腕を掴んだ.

「リ,リョウさまっ?」
「なに?」
「リョウさま,どこ?どこ?」
「呆れるわ,ユイ…ほら舞台の上⇒」

ユイの視線の先に,シールドを巻くリョウが居た.
思わずため息が出てしまう.

「片付けしてても素敵~」
「は?何言ってんのよ,出るよ!」
「えー!」
「ユウくんも何やってんだろーね,ナミエさん待ちかぃ?!」
「忘れてた…ユウヤいるんだ…」
「ほら,ユウくんに見つかるよ!」
「ぅ,うん…」

ユイはマコに押されながらライブハウスの出口を出た.
外はすでに夜の空気が立ち込めていた.
まだ少し頭が痛い….

「お茶しようかぁ」
「うんっ,レモンジュース飲みたい~」
「相変わらずだね?グレープフルーツで我慢しなさいよ~」
「はぁい~」

お姉さんみたいなマコと一緒にいると何故かホッとする.
マコは小学生の時知り合った受験仲間だ.もちろん同級生.
マコは優秀で,全国上位をいつも争うメンバの一人だった.そう,シゲアキと同じクラスだった.
ユイとお隣の駅に住んでいて,中学に入ってからもよく顔を合わせた.
マコがW大に進学したことを知り,ユウヤのことを相談した.
案の定,大学でもユウヤは目立つらしく,すでにマコにチェック済みの存在だった.

「ね?ユウくんさ,すっごいモテモテなんだよ?」
「へー」
「へーじゃないわよ.良くいぢわるされないわね.」
「ん?誰に?」
「気をつけなさいよ,お姉さま方は放っておかないわよ.」
「ふぅーん.」
「この前もさ,ほら野外音楽堂のコンサートの時.」
「ん、ん、ん」
「手は繋いで歩くし、ユウヤに寄りかかっちゃうし…」
「な,なんで知ってるの?」
「こっちじゃ,噂よ…ユウヤの彼女はK大生ってね.」
「ダメ?」
「ダメじゃないけどさ,彼女そのものじゃん?」
「んーそうかなぁ?」
「大学生に異性の友情は有り得ないっしょ?」
「えーぇー」
「って考えな訳よ,お姉さま方はさ….」
「そうかぁ…」

「ユイはユウヤのことどうなの?」
「わかんない…ユウヤ、一緒にいてくれるんだもん.」
「ばかだねぇ…アイツだってオトコだよ?」
「でも、別に何にもないし…」
「え?何にもって…何にも?」
「ぅ,うん…抱きしめてはくれるけど…」
「抱きしめ…って…ぇ?」
「ぎゅーってしてくれるよ?」
「ユイ,大丈夫?」
「何が?」
「ママゴトしてるんじゃないんだよ?」
「だって…」

「ユイ,やめなよ…ユウヤと会うの.」
「…」
「ほんとは,ユイのこと,どうにかしちゃいたいんじゃない?」
「どうにか?」
「もぅっ,ユイのおバカさん!」
「あのね,最近ね,ユウヤが冷たいの.」
「もう,いいよ…ついて行けないわ.」
「マコぉ…」

ユイの普通じゃない天然っぷりに,マコは何も言う気を無くしていた.
そして,薄っすらと気付いていたシゲアキの存在.

「かったい友情だよね…あれやだ,ユウくん入って来ちゃったよ.」
「リョウさまもいる!」
「ユイ出ようか?」
「あ…も少し居たい…」
「あっそっ」
「ダメ?」
「いいよ,一人で居てね,あたし帰るわ~」
「マコ…」
「また必ず誘うよ…あたし,ユイのこと好きだからさ…んちゃってf^_^;」
「ありがと☆ユイもマコ好き☆」
「ユウヤと帰るんじゃないよ!」
「なんで~」
「なんでも…」
「わかんないや…」
「じゃあねヾ(*'-'*)」
「うん,バイバイヾ(*'-'*)」

ユイは硝子越しにマコに手を振ると,テーブルにゆっくりと伏せた.

疲れたよ…ユウヤ…なんでリョウさまといるの?

睡魔がユイに舞い降りて,静かな世界へと誘ってくれた.


(つづく)


女子大生の普通の会話ですね…なんでもないです.
今回はつなぎみたいなものなんで…ね?
続きを期待して!くれたりしたら,ぽちっとよろしくです♪


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この記事へのコメント

うらやましいな~

mi-miちゃん,コメントありがとう(v^-゜)

天然な子は嫌いなのかぁ…mi-miちゃんは,自分の気持ちを伝えられるんだねっ.milkの書く天然キャラは,優柔不断さの裏返しかな?ぐだぐだ答えを出さなかったり,八方美人で誰にでも良く思われようとしている感じなんだと思う.
なんとなく,自分自身がそんな感じかな?って思う.milkは自分があんまり好きじゃ無いから,ストーリーの中で,迷わせてみたくて…ユイはいらつくかもだけど,よろしくねっ(o^-')b


| milkから,mi-miちゃんへ | URL | 2009.06.21 21:25 | 編集 |

milkちゃん、こんちま!!
私、実を言うと天然な女の子、苦手です(>_<)
そうなりたいと思ってもなれないから
ひがんでるのかもしれません…。
だから、ユイはちょっとイラっときたりしてますが
だからこそ、この先の展開が楽しみでもありますね!!

| mi-mi | URL | 2009.06.21 07:52 |

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

| | | 2009.06.20 15:11 |

熱い(笑)

へなぴーちゃん,いつもコメントありがとう☆

> milkちゃん読みに来たよ~
> ユウヤとユイくっついちゃへばいいのにv-219
>
あ,ダメです.それは,今後の展開に問題がぁ~

> だいたい、男女に友情関係は成立しないと思っている。
ん~…全くダメなの?

> 私の場合は結局は異性の友情はあり得ないと思っている。
そうかなぁ?空気みたいな存在ってあるじゃない?
milkはそういう関係に陥れない男友達って居たよ.

> 男友達に対して男を意識しないでなんかいられないもん。
> あくまでも私の場合ねv-392
>
へなぴーちゃんの場合ね!!覚えておくねっ♪

> あ~前にそのことをテーマに妄想ドラマ書いたけど難しくって
> あんま筆も進まなかったな。
> 書いてて大変だったもん。
>
大変だよね?実は詰まってる・・・
前にもお話したかも?だけど,最後まで書き上げてからUPする.
これが常だったけど,今は途中でSTOPしているよ…困った.

> また語り過ぎちゃった(^^;)
楽しかった.へなぴーちゃんにいろいろと言ってもらいたいもん.
ちなみに,ユイってmilkっぽいかもしれません.

続きを頑張るわん~

| milkから,へなぴーさんへ | URL | 2009.06.20 00:59 | 編集 |

milkちゃん読みに来たよ~
ユウヤとユイくっついちゃへばいいのにv-219

だいたい、男女に友情関係は成立しないと思っている。
ただ成立してる場合はどちらか一方が一線を超えないようにしているだけ。
どちらか一方に好きな感情があるか人として魅力や話が合うなど
何か惹かれるものがあるから友達になったりするのでは・・・
それは私の中では=好きになる。
私の場合は結局は異性の友情はあり得ないと思っている。
男友達に対して男を意識しないでなんかいられないもん。
あくまでも私の場合ねv-392

あ~前にそのことをテーマに妄想ドラマ書いたけど難しくって
あんま筆も進まなかったな。
書いてて大変だったもん。

また語り過ぎちゃった(^^;)

| へなぴー | URL | 2009.06.19 21:52 | 編集 |

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